Google Dialogflow で LINE 公式アカウントと連携するノーコードチャットボットを作る手順

2026年6月7日

はじめに

「チャットボットを作ってみたいけれど、サーバー構築やプログラミングのハードルが高そう」——そう感じたことはないでしょうか。Google が提供する Dialogflow を使えば、ノーコードで応答ロジックを設定し、LINE 公式アカウントと連携したチャットボットを構築できます。本記事では、Dialogflow のエージェント作成から LINE との連携設定までの手順を解説します。

エンジニアでなくても扱えるほど手軽な仕組みなので、ノーコードでの自動応答システムに興味がある方の参考になる内容です。

Dialogflow とは

Dialogflow は Google が提供する自然言語理解(NLU)プラットフォームで、ユーザーの発言に対して適切な応答を返す対話型システムを構築できます。キーワードと応答パターンを登録しておくだけで、多少表現が異なる入力でも意図を解釈して応答を返してくれる点が特徴です。

事前準備

  • GCP アカウント: Dialogflow の利用には GCP アカウントが必要です。専用プロジェクトがなくても Dialogflow 側から新規作成できます
  • LINE Developers アカウント: LINE のビジネスアカウントを開設しておきます。詳細はLINE for Business のマニュアルを参照してください

Dialogflow エージェントを作成して応答を設定する手順

1. Dialogflow にログインしてエージェントを作成する

Dialogflow のコンソールに Google アカウントでログインします。

Dialogflow コンソールのログイン画面

課題:東京リージョンには LINE と連携するための Integration メニューが用意されていない(2021年3月時点)。
解決策:リージョンには US-USA(Global)を選択する。以降の画面で「AS-NE1」と表示されている箇所は「US-USA(Global)」と読み替えてください。

Dialogflow のリージョン選択画面(US-USA を選択)

「Create Agent」をクリックしてエージェントを作成します。

Dialogflow の Create Agent 画面

2. Intent(応答パターン)の仕組みを理解する

エージェントの作成が完了すると Intents の一覧画面に遷移します。Intent とは、ユーザーの発言に対する「話題」と「応答」の組のことです。デフォルトで以下の 2 つの Intent が用意されています。

  • Default Fallback Intent: どの Intent にもマッチしなかった場合の応答
  • Default Welcome Intent: 挨拶などの呼びかけに対する応答
Dialogflow の Intents 一覧画面(Default Fallback / Welcome Intent)

画面右側の「Try it now」エリアに「こんにちは」と入力してみます。

Try it now エリアに「こんにちは」と入力する画面

「こんにちは」に対して「こんにちは!」という応答が返ってくることが確認できます。

Try it now で「こんにちは」に対する応答を確認した画面

3. Training phrases と Response を編集する

課題:デフォルトの Training phrases には「おはよう」が登録されておらず、入力しても Default Fallback Intent の応答(「よくわかりません」)になってしまう。
解決策:Default Welcome Intent の Training phrases に新しい言い回しを追加登録する。

Default Welcome Intent を開くと、Training phrases にはユーザーが入力しそうな文字列を登録できます。デフォルトではいくつかの挨拶が登録されていますが、「おはよう」は含まれていません。

Default Welcome Intent の Training phrases 一覧画面

「おはよう」を Training phrases に追加すると、「おはよう」「おはようございます」のどちらの入力でも Default Welcome Intent の応答が返るようになります。

Training phrases に「おはよう」を追加登録した画面

画面を下にスクロールすると Response の項目があり、Intent にマッチした際に返す応答メッセージを設定できます。以下が設定例です。

Default Welcome Intent の Response 設定画面

LINE と連携する手順

1. Dialogflow 側で LINE Integration を設定する

左メニューの「Integrations」を選択し、表示される一覧から「LINE」を選択します。

Dialogflow の Integrations メニューから LINE を選択する画面

以下のような設定画面が表示されます。ここに LINE 側で取得する各種キー情報を入力していきます。

Dialogflow の LINE Integration 設定画面

2. LINE Developers でチャネル情報を取得する

LINE Developers にログインし、対象チャネルの「Basic settings」ページから Channel IDChannel Secret を取得し、Dialogflow の対応する項目に設定します。

LINE Developers の Basic settings 画面(Channel ID 確認)

続いて「Messaging API」タブに移動します。

LINE Developers の Messaging API タブ画面

「Webhook setting」の項目に、Dialogflow の Integration 設定画面に表示されている Webhook URL を設定します(この項目は LINE 側の設定であることに注意してください)。

LINE Developers の Webhook setting 画面

同じページの一番下にある「Channel access token」から、未発行であればトークンを発行し、その値を Dialogflow に設定します。

LINE Developers の Channel access token 発行画面

これで Dialogflow 側の設定はほぼ完了です。

3. LINE 公式アカウントの応答設定を確認する

LINE Official Account Manager にログインし、対象アカウントを選択して「設定」ボタンをクリックします。

LINE Official Account Manager の設定ボタン画面

左メニューから「応答設定」を選択し、以下のような設定になっていることを確認します。

LINE Official Account Manager の応答設定確認画面

4. Integration を起動して動作確認する

Dialogflow の LINE Integration 画面の「スタート」ボタンをクリックして連携を開始します。

Dialogflow の LINE Integration スタートボタン画面

LINE アカウントにメッセージを送信し、Dialogflow で設定した応答が返ってくることを確認します。あとは Dialogflow 側で Intent を追加していくことで、対話できる話題を増やしていけます。

まとめ:ノーコードで LINE チャットボットを構築する手順

本記事で解説した手順をまとめます。

  • Dialogflow のリージョンは US-USA(Global)を選択する必要がある(東京リージョンには LINE Integration がないため)
  • Intent は「話題」と「応答」の組であり、Training phrases に言い回しを追加するだけで認識精度を上げられる
  • LINE 連携には Channel ID・Channel Secret・Webhook URL・Channel access token の 4 つの情報が必要
  • Webhook URL の設定は LINE 側、Channel ID 等の入力は Dialogflow 側という設定先の違いに注意する
  • プログラミング不要で、Intent の追加だけでチャットボットの応答パターンを拡張できる