【初心者向け】AWS EC2の料金をまとめてみた
目次
はじめに
本記事ではAWSを東京リージョンで利用可能なEC2のサービスについて、何をすると料金がかかるのか、いくらかかるのか、について説明します。
注意事項
記載している内容は2021年4月時点のものとなりますので、正確な料金を確認したい場合にについては必ず、AWSの料金ページを確認して下さい。
また、AWSの料金体系は複雑です。本記事ではよく使われる機能の費用について説明しますが、利用方法によっては本記事に記載の内容以外の料金がかかる可能性があります。
EC2の料金がかかる仕組みと料金の目安
概要
EC2を利用した場合、主に以下の費用がかかります。
- インスタンスの利用料金
- EBSの利用料金
- 通信料金
上記に加え、ご利用方法によって以下のような料金が発生します。
- Elastic IP(固定のIPアドレス)の利用料金
- スナップショットの保存料金
インスタンスの利用料金
対象のインスタンスを起動している時に時間単位で課金される料金です。そのためEC2のサービスを利用する上で必ず発生する料金とお考え頂くことが出来ます。料金はインスタンスの性能により異なり、vCPU/ECU/Memory/インスタンスストレージの内容により料金が異なります。
私がよくお試しの環境に使っているt2.nanoのインスタンスでは
- vCPU : 1
- ECU : 該当なし
- Memory : 0.5GB
- EBS : EBSのみ
というスペックで0.0076USD/時間の料金となります。$1=\110として1か月使った時の料金は約602円という破格の料金設定です。このインスタンスの利用料金はインスタンスのスペックにより大きく異なり、m5.xlargeというインスタンスであれば
- vCPU : 4
- ECU : 16
- Memory : 16GB
- EBS : EBSのみ
というスペックで0.248USD/時間の料金となります。これを1か月で計算すると約19,641円となってきます。スペックによって料金が全然違う、ということがご理解頂けるかと思います。
EBSの利用料金
こちらの料金はEC2インスタンスの、言ってみればHDD(記憶装置)の料金となります。そのため、一般的なパソコンのように、過去の作成したデータをインスタンスの再起動後も利用したい場合には必ず必要となるサービス・料金と考えることが出来ます。
料金についてはそのEBSのサイズとアクセスのスピードにより、料金の異なるボリュームタイプが用意されています。
標準的なgp2と呼ばれるボリュームタイプであれば料金は1か月で0.12USD/GBとなります。このボリュームを100GB、1か月利用した時に発生する料金は1,320円となります。このあたりはシンプルでわかりやすい料金設定かと思います。
通信料金
こちらの料金は、純粋なEC2インスタンスの通信料金となりますので、こちらについてもEC2を利用する以上、必ず発生するものとお考え下さい。
ただし、この料金形態は非常に特殊で、例えばお使いのパソコンからEC2向けの通信については一切の料金が発生しません。しかし、EC2からお使いのパソコンに向けての通信(インターネット向けの通信)については費用が発生します。
料金としては、EC2からインターネット向けの通信が1月あたり
- 1GBまで:無料
- 1GBを使い切った後の9.999TB:0.114USD/GB
- 10TBを使い切った後の40TB:0.089USD/GB
- 50TBを使い切った後の100TB : 0.086USD/GB
- 150TBを使い切った後:0.084USD/GB
といった形になります。月の通信データ量が30TBだった場合には、
- 9.999TBまで : 0.114 * 9999 = 1140USD
- 残り20TB:20,000 * 0.089 = 1780USD
- 合計:2920USD/月なので321,200円/月
となります。たっか!計算のために極端に高い例を出してしまいましたが、一般的なこんなデータ量はないと思いますので、そこまで心配しなくて大丈夫です。
その他、東京リージョン内のデータ転送や、リージョンを跨ぐ通信にも費用が発生します。同一AZ内のデータ通信には費用がかかりません。
Elastic IPの料金
Elastic IPはECインスタンスに固定IPアドレスを付与するためのサービスですので、特に利用がなければ料金も発生しません。EC2インスタンスに固定のIPを付与して利用したい場合、1つのインスタンスに対して1つのみであれば無料で利用が可能です。
ただし、該当するインスタンスが停止している場合や、インスタンスに紐づけられていないElastic IPに対しては0.005USD/時間の料金が発生します。1か月放置しても396円程度しか料金はかかりません。
スナップショットの料金
スナップショットはEBSのバックアップとお考え下さい。定期的にスナップショットによるバックアップを取っておけば、ある時、スナップショットを取得していた日付のデータに戻すことが可能です。こういった用途となりますので、一切のバックアップを取得しないということであれば、スナップショットの料金も発生しません。
利用する場合には、1か月あたり0.05USD/GBの料金が発生しますので、100GBのスナップショットであれば1か月550円程度の料金がかかります。決して高い料金設定ではありませんが、スナップショットを複数取って保存しているような使用方法では想定外の料金となってしまうことがあることにご注意下さい。
さいごに
本記事ではAWS EC2を利用した際に、大枠として何をするのに料金が発生するのか、どのくらいの料金が発生するのかを説明致しました。
トータルで発生する料金については利用されるサービスの積み上げにて計算が行われます。AWSを始めるにあたり、どれくらい料金がかかるか想像も出来ない、という方のご参考になれば幸いです。
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