Windows 10 Home で Docker Desktop + WSL2 を使って Ubuntu 20.04 LTS を起動するまでの手順

2026年6月6日

はじめに

「Windows マシンで Linux 環境を手軽に使いたいが、仮想マシンを毎回起動するのは手間がかかる」——そう感じたことはないでしょうか。本記事では、Windows 10 HomeDocker Desktop for WindowsWSL2(Windows Subsystem for Linux 2) を導入し、Ubuntu 20.04 LTS コンテナを動かすまでの手順を解説します。

仮想マシンを常時起動する方法と比べ、Docker はイメージの起動・停止が素早く、バックアップや環境の再現も容易です。同じ構成を検討しているエンジニアの方にも参考になる内容です。

※本記事は Windows 10 Home Edition 向けの手順です。Pro Edition とは一部手順が異なりますのでご注意ください。

動作環境・システム要件

項目要件補足
OSWindows 10 Home バージョン 2004 以降OSビルド 19041 以降(x64 は 18362 以降でも可)
仮想化WSL2Docker Desktop が WSL2 バックエンドを使用
コンテナランタイムDocker Desktop for WindowsGUI 管理ツール付きで操作しやすい
コンテナイメージUbuntu 20.04 LTSDocker Hub から公式イメージを取得

Windows バージョンの確認手順

WSL2 と Docker Desktop を動作させるには、Windows のバージョンが要件を満たしている必要があります。以下の手順で確認します。

  1. Windows の検索メニューに「設定」と入力し、設定画面を開きます。
  2. 左タブから「バージョン情報」を選択します。
  3. 「Windows の仕様」欄でバージョンが 2004 以降、OSビルドが 19041 以降(x64 は 18362 以降)であることを確認します。
Windows 10 のバージョン情報確認画面

Docker Desktop + WSL2 のインストール手順

1. WSL を有効化する

課題:WSL が無効のままでは WSL2 バックエンドで Docker が動作しない。
解決策:PowerShell を管理者権限で起動し、`dism.exe` コマンドで WSL 機能を有効にする。

Windows の検索メニューから「PowerShell」を右クリックし、「管理者として実行する」で起動します。

PowerShell を管理者として実行する手順

以下のコマンドを実行して WSL 機能を有効化します。

dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart
WSL 有効化コマンドの実行結果

2. 仮想マシン機能を有効化する

課題:WSL2 は Hyper-V の仮想マシンプラットフォームを必要とする。
解決策:同じく PowerShell から仮想マシン機能をオンにする。

引き続き管理者権限の PowerShell で以下を実行します。

dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart
仮想マシン機能の有効化コマンド実行結果

コマンド実行後、Windows を再起動してください。

3. WSL2 カーネルをインストールする

Microsoft の公式ドキュメント(WSL インストールガイド)から WSL2 Linux カーネル更新プログラムをダウンロードして実行します。

WSL2 カーネル更新プログラムのインストール画面

4. WSL のデフォルトバージョンを WSL2 に変更する

PowerShell で以下を実行し、新規インストールするディストリビューションがデフォルトで WSL2 を使うように設定します。

wsl --set-default-version 2
WSL デフォルトバージョンを WSL2 に変更するコマンド実行結果

5. Docker Desktop をインストールする

Docker Hub のダウンロードページ(Docker Hub)から Docker Desktop for Windows のインストーラを取得します。

Docker Hub のダウンロードページ

ダウンロードしたインストーラをダブルクリックすると Docker Desktop のインストールが開始されます。インストール時に 「Use WSL 2 instead of Hyper-V」のチェックボックスを有効にしてからインストールを進めてください。

Docker Desktop インストール完了画面

インストール完了後、サインアウトを求められます。指示に従ってサインアウトし、再ログインするとインストールが完了しています。

Ubuntu 20.04 LTS コンテナを起動する手順

1. Ubuntu 20.04 イメージを取得する

Docker Desktop を起動すると管理画面が表示されます。PowerShell から以下のコマンドで Ubuntu 20.04 の公式イメージを取得します。

Docker Desktop の管理画面(起動直後)
docker pull ubuntu:20.04
docker pull ubuntu:20.04 の実行結果

2. コンテナを作成して起動する

イメージの取得完了後、Docker Desktop の Images タブにも反映されます。「RUN」ボタンをクリックしてコンテナを作成します。

Docker Desktop の Images タブで Ubuntu イメージを確認

コンテナ名と Volume のマッピングを設定できます。設定後に再度「RUN」をクリックするとコンテナが作成されます。

コンテナ作成設定画面(名前・Volume マッピング)

コンテナ作成後は自動的にコンテナ詳細画面に遷移します。これで Ubuntu 20.04 の起動は完了です。

Ubuntu 20.04 コンテナ起動完了画面

シェルに接続して Ubuntu のバージョンを確認すると、正常に動作していることが確認できます。

Ubuntu シェルでバージョン確認した結果

まとめ:Windows 10 Home で Docker + WSL2 を活用するメリット

本記事で解説した手順をまとめます。

  • WSL2 を有効化することで Windows 10 Home でも Docker Desktop が動作する
  • docker pull ubuntu:20.04 でイメージを取得し、Docker Desktop の GUI からコンテナを作成できる
  • 仮想マシンを常時起動する方法より起動・停止が高速で、環境の再現性も高い
  • WSL2 バックエンドを使うことで Linux ネイティブに近いパフォーマンスが得られる

次回は、この Ubuntu コンテナを使って gcloud SDK 環境を構築する手順を解説します。gcloud CLI のインストールから初期設定まで具体的に紹介します。