AWS Backup で作成したバックアップから EC2 インスタンスを復元する手順
目次
はじめに
「バックアップは取得したものの、実際に障害が起きたときにきちんと復元できるか不安」——そう感じたことはないでしょうか。AWS Backup で取得したバックアップは、コンソール上の操作だけで EC2 インスタンスとして復元できますが、そのまま復元するとパブリック IP が割り当てられないという落とし穴があります。本記事では、AWS Backup から EC2 を復元する手順に加えて、パブリック IP の自動付与設定とElastic IP(固定 IP)の付け替え方法を解説します。
前回の記事では AWS Backup を使って EC2 のバックアップを自動取得する手順を解説しました。今回はその続編として、実際に障害が発生した場面を想定した「復元」の手順を中心にまとめます。
AWS Backup から EC2 インスタンスを復元する手順
1. 保護されたリソースから復元対象を選択する
課題:過去に取得したバックアップの中から、復元したいリソースを特定する必要がある。
解決策:AWS Backup の「保護されたリソース」のページから対象リソースを選択する。
AWS Backup コンソールの「保護されたリソース」のページから、今回復元を実施するリソースを選択します。

2. 復元ポイントを指定して復元を実行する
課題:同じリソースでも複数のタイミングでバックアップが存在するため、どの時点に復元するかを指定する必要がある。
解決策:復元ポイント ID の一覧から目的のバックアップを選び、新しいインスタンスとして復元する。
復元ポイント ID として、過去に取得したバックアップが一覧として表示されるので、復元したい復元ポイント ID を選択し、「復元」ボタンをクリックします。

イメージとしては、EC2 の AMI イメージからインスタンスを作成する操作に近く、インスタンスタイプ・VPC・サブネット・セキュリティグループといった項目を選択していきます。設定を終えたら、画面の一番下にある「バックアップを復元」ボタンをクリックします。

3. 復元ジョブの進捗とインスタンスを確認する
課題:復元処理が完了したかどうかを確認する手段が分かりにくい。
解決策:「ジョブ」メニューの「復元ジョブ」タブで進捗を確認し、完了後は EC2 サービス側で新しいインスタンスをチェックする。
バックアップを取得する際には「バックアップジョブ」タブで進捗を確認できましたが、復元を行う際には「復元ジョブ」タブで進捗を確認できます。ステータスが「完了」になれば復元作業は完了です。

復元が完了すると、EC2 のサービス画面でも新しく復元されたインスタンスを確認できます。

復元後に対応しておきたい2つのネットワーク設定
復元したインスタンスをそのまま使おうとすると、ネットワーク面で2つの落とし穴があります。ここでは、その対処法を補足として解説します。
補足1:サブネットの自動割り当て設定でパブリック IP を付与する
課題:バックアップから復元したインスタンスには、デフォルトではパブリック IP アドレスが割り当てられない。
解決策:インスタンスが属するサブネットの設定で「パブリック IPv4 アドレスの自動割り当て」を有効にする。
まず、復元したインスタンスの「ネットワーキング」タブから、どの VPC サブネットを利用しているかを確認します。

次に、サービス一覧の「ネットワークとコンテンツ配信」から VPC のサービスに移動します。

VPC サービスのサブネットメニューから対象のサブネットを選択し、「アクション」タブから「自動割り当て IP 設定の変更」をクリックします。

「パブリック IPv4 アドレスの自動割り当てを有効にする」にチェックを入れて保存すれば、以降そのサブネットで起動・復元されるインスタンスには自動的にパブリック IP アドレスが付与されるようになります。

補足2:Elastic IP(固定 IP)を新インスタンスへ付け替える
課題:復元前のインスタンスに割り当てていた Elastic IP(固定 IP)は、復元後のインスタンスに自動的には引き継がれない。
解決策:古いインスタンスから Elastic IP の関連付けを解除し、復元後の新しいインスタンスに付け直す。
まず、古いインスタンスを停止します。厳密には停止しなくても作業は可能ですが、ここでは「古いインスタンスで何らかの障害が発生している」というケースを想定し、停止した状態で進めます。

Elastic IP のメニューから対象の IP アドレスを選択し、「アクション」タブから「Elastic IP アドレスの関連付けの解除」を選択します。

解除が終わったら、同じ IP アドレスを選択し、今度は「Elastic IP アドレスの関連付け」を選択します。

関連付け先として、今回復元したインスタンスを指定し、画面下部の「関連付ける」ボタンをクリックすれば付け替え作業は完了です。

最後に、復元したインスタンスに Elastic IP アドレスが設定され、正しくアクセスできることを確認します。古いインスタンスは停止済みですが、今後不要であればこのタイミングで削除しておくとよいでしょう。

まとめ:バックアップからの EC2 復元で押さえておきたいポイント
本記事で解説した手順をまとめます。
- 復元は「保護されたリソース」から対象を選び、復元ポイント ID を指定するだけで実行できる
- 操作感は AMI イメージからのインスタンス作成に近く、インスタンスタイプや VPC・サブネットを指定して復元する
- 進捗確認はバックアップ時の「バックアップジョブ」と対になる「復元ジョブ」タブで行う
- 復元したインスタンスには既定でパブリック IP が付与されないため、サブネットの自動割り当て設定を有効にしておく
- 旧インスタンスの Elastic IP は自動的に引き継がれないため、関連付けの解除→再関連付けで手動で付け替える
※復元したインスタンスや旧インスタンスをそのまま放置すると、意図しない費用が発生する可能性があります。試した後は不要なリソースを削除し、Cost Explorer などで定期的に費用を確認する習慣をつけておきましょう。







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