AWS Backup を使って EC2 のバックアップを自動取得する設定手順

2026年6月7日

はじめに

「EC2 のバックアップを定期的に取得したいが、スナップショットの管理を手作業で続けるのは大変」——そう感じたことはないでしょうか。AWS Backup を使えば、バックアップの取得・保持期間の管理・定期実行までを GUI 上で一元管理できます。本記事では、AWS Backup を使って EC2 のバックアップを自動取得する設定手順を解説します。

運用負荷を下げたいエンジニアや、複数の AWS サービスのバックアップを一箇所で管理したい方の参考になる内容です。

AWS Backup とは

AWS Backup は、複数の AWS サービスのバックアップ取得・復元を一元管理できるマネージドサービスです(ストレージカテゴリに分類されています)。EC2 単体であれば定期スナップショットでも対応できますが、AWS Backup を使うことで取得スケジュールや保持期間、複数サービスのバックアップを統一的なルールで運用できます。

2021年3月時点でのバックアップ対象サービスは以下のとおりです。

  • Aurora
  • DynamoDB
  • EBS
  • EC2
  • EFS
  • FSx
  • RDS
  • Storage Gateway

AWS Backup で EC2 を自動バックアップする手順

1. バックアップボールトを作成する

課題:バックアップデータの保存先となる領域が必要。
解決策:AWS Backup コンソールで「バックアップボールト」を作成する。バックアップボールトはバックアップデータを格納する箱のような役割を持ちます。

AWS マネジメントコンソールでストレージカテゴリの「AWS Backup」に移動します。

AWS マネジメントコンソールの AWS Backup サービスメニュー

「バックアップボールトを作成」をクリックします。

バックアップボールト一覧画面と「バックアップボールトを作成」ボタン

任意のボールト名を入力し、暗号化キーは AWS KMS を利用していなければデフォルトのまま「バックアップボールトを作成」をクリックします。

バックアップボールトの作成設定画面(名前と暗号化キーの指定)

2. オンデマンドバックアップで動作確認する

定期実行の前に、まずはオンデマンド(手動実行)でバックアップが取得できることを確認します。作成したバックアップボールトのページにある「オンデマンドバックアップを作成」をクリックします。

「オンデマンドバックアップを作成」ボタンの画面

以下の項目を設定します。

  • 対象のサービス/インスタンス
  • バックアップのタイミング
  • バックアップデータの保持期間
  • 保存先のバックアップボールト
オンデマンドバックアップの設定画面(対象・タイミング・保持期間など)

設定後、「オンデマンドバックアップを作成」をクリックすると、バックアップが「ジョブ」として実行されます。ステータスが「完了」になるまで待機します。

バックアップジョブが実行中であることを示す画面

作成されたバックアップは「保護されたリソース」のページで確認できます。

保護されたリソースの一覧画面

EC2 のバックアップの場合、EC2 のサービス画面から AWS Backup によって作成された AMI イメージを確認することもできます。

EC2 サービス画面で AWS Backup により作成された AMI イメージを確認する画面

3. バックアッププランを作成して定期実行する

課題:毎回手動でバックアップを取得するのは手間がかかる。
解決策:「バックアッププラン」を作成し、対象リソースを割り当てることで定期実行を自動化する。

バックアッププランのページに移動し、「バックアッププランを作成」をクリックします。AWS が用意したテンプレートも利用できますが、本記事では一から作成します。

「バックアッププランを作成」ボタンの画面

任意のプラン名を入力します。

バックアッププラン名の入力画面

続けてバックアップルールを設定します。バックアップ頻度を指定でき、「コピー先にコピー」は現在のリージョン以外にもバックアップを複製したい場合に使用します。設定後、「プランを作成」をクリックします。

バックアップルールの設定画面(頻度・コピー先など)

作成したプランの「リソースの割り当て」から「リソースを割り当てる」をクリックします。

バックアッププランのリソース割り当て画面

任意のリソース割り当て名を入力し、バックアップ対象の EC2 インスタンスを指定して「リソースを割り当てる」をクリックすれば設定完了です。

リソース割り当ての設定画面(割り当て名と対象 EC2 の指定)

4. 定期バックアップの実行結果を確認する

正常に定期バックアップが実行されているかは「最後のランタイム」欄で確認できます。表示されている日時にバックアップが実行されているはずなので、「保護されたリソース」のページで実際に取得できているかも併せて確認します。

バックアッププランの最後のランタイムを確認する画面

1時間ごとにバックアップを取得するルールにしておいたところ、一晩でかなりの数のバックアップが作成されていました。

1時間間隔の設定で大量に作成されたバックアップ一覧

バックアップ頻度を「1時間ごと」に設定していても、ちょうど1時間おきに実行されるわけではなく、AMI イメージの作成時刻にはばらつきが見られました。実際の実行タイミングは、バックアップルールで指定する「バックアップウィンドウ」の時間帯に依存する点に注意が必要です。

バックアップ実行結果の最終確認画面

まとめ:AWS Backup で EC2 のバックアップ運用を自動化するメリット

本記事で解説した手順をまとめます。

  • バックアップボールトを作成し、バックアップデータの保存先を用意する
  • オンデマンドバックアップでまず動作確認してから、バックアッププランで定期実行に移行するとスムーズ
  • バックアッププランにリソースを割り当てるだけで EC2 の定期バックアップが自動化できる
  • 実行タイミングは「バックアップウィンドウ」の時間帯に依存し、指定した頻度ぴったりには実行されない点に注意する
  • EC2 の場合、AWS Backup で作成されたバックアップは AMI イメージとして EC2 サービス側からも確認できる

※AWS Backup の利用には保存容量やリージョン間コピーに応じた費用が発生します。バックアップ頻度や保持期間を設定する際はコスト面にも注意しましょう。

次回は、AWS Backup で取得したバックアップから EC2 を復元する手順を解説します。